きっかけからわずか4年で老舗を復活させ、伝統の味を守るこだわりと品質に磨きをかける熱意を持ち、2007・2008年にはモンドセレクションの最高金賞と2年連続金賞の快挙を成し遂げ、世界の美食家達やシェフにも絶賛されている。という「ほんものの羊羹」が本州最南端の潮岬で作られています。当主の坂井さんにお話を伺いました。
紅葉屋本舗は1900年(明治33年)に、曾祖父申二郎が17歳の時に古座町(今の串本町中湊)で創業しました。
その名も「もみぢや菓子舗」と言い、特に看板商品だった羊羹は和菓子の全国大会で何度も受賞するほどの人気で、串本まで列車を乗り継いで遠路はるばるお買い求めに来るお客様が絶えなかったそうです。
しかし伯父まで3代続いた後は跡継ぎに恵まれず、惜しまれながらものれんを下ろすこととなりました。坂井さんが生まれて間もない1965年のことです。
和菓子とはまったく関わりがない職業に就いていた坂井さん。もちろん「もみぢや」のことは知っていたけれど、既に店舗どころか器具も残っておらず、当時はまさか「お店を復活させよう」などとは全然考えていなかった。と話してくれました。
しかしある時、お客様へのお礼のつもりで母に教わって作ってみた羊羹をお渡ししたところ「今では売っていない昔の美味しい羊羹の味がする」と、信じられない言葉が返ってきて驚いたのだそうです。
祖父・申二郎と父・敏太郎から菓子作りをしこまれていた母から、坂井さんへと受け継がれていた和菓子の味覚は、幼い頃から慣れ親しんでいた「もみぢや」の味そのもの。坂井さんは知らず知らずのうちに職人の腕と舌を引き継いでいたのでしょう。
喜んでくれたお客様の言葉が忘れられず、そしてさらに美味しい羊羹を作りたいと考える坂井さんは、いつしか「曾ジイチャンの作った羊羹を再現したい」と考えるようになりました。曾祖父の遺した痕跡を追うように、自宅や親類の家をまわって当時使われていた器具を探したりしたそうです。
そして2001年に親類の仏壇の中から見つけたのが曾祖父の書き残した菓子製法のメモでした。そしてほぼ同時期には創業時から使用されていた真鍮製の大鍋も見つかり、坂井さんは「これで当時のままの味を再現できる」と、感動のあまり寝食忘れて羊羹作りに没頭していきました。
最初の一年は失敗の連続。季節ごとの火加減や水分量など、味わいを引き出すためには秘伝のレシピ以外にも、さまざまな感覚を鍛えることが必要だったのです。試行錯誤を繰り返し、材料の砂糖・寒天・小豆が混ざり合い、変化していく様を掴むんだと、2年の歳月が流れました。
そして遂に完成した羊羹は、「昔のままの味だ。」「コシがあり、サクッと美しく切れる。」「血は争えないわね。」と、当時の「もみぢや菓子舗」の味を知る親類の方々も納得の祖父の味だったのです。

2003年4月。坂井さんは名実ともに4代目を名乗り、店舗名を「紅葉屋本舗」と改めて、40年ぶりに羊羹の販売を開始しました。
復活した幻の羊羹は、外はパリッと固く、中はしっとりとなめらか。その秘密は、製造後におよそ6日間乾燥させることによって中から染み出た糖分が乾燥して固まり、皮膜のようになっているからだとか。嚙んだ後に内側のほどよい甘さが口いっぱいに広がるという食感の対比がなんとも魅惑的です。
復活したほんものの味は、菓子問屋からも「老舗に引けを取らない」と太鼓判を押されるほどで、インターネットでの直売以外にも都心の百貨店や高級ホテルでも販売され、口コミなどによりますます人気は広がっていきました。
曾祖父が遺したもうひとつの言葉。それは「美味しくて安全なものを提供する」というものでした。
昨今の食の安全・安心問題から、「製造元の安全を唱えることが消費者の安心につながる。」と、HACCP(ハサップ)に取り組み、認定を受けています。
HACCPとは和歌山県食品衛生管理認定制度と言い、和歌山県が認定する食品衛生管理水準の向上と県民や全国へ安全な食品提供を行うことを目的とした制度。原料から製品に至るまでの全ての工程において危害を分析し、確実に排除するための重要管理点(CCP)を特定して発生の予防を行うことができると言うものです。ちなみに従業員一人でこの認定を受けた会社は類例がありません。
坂井さんはこの厳しい食品衛生管理手法のために、まず厳重な無菌対策を施したの製菓場を整えることから始めています。現在の製造にはもちろん衛生スーツを着用し、入室から製造の各工程ごとにチェックリストをもうけ、手順や清掃管理日、そして作業の導線までもが細かく決められています。
そこには「老舗の羊羹屋」といった雰囲気はないのかも知れません。しかし坂井さんにとってはこの認定はとても自然な流れだったようです。
「見た目よりも安心・安全を重視したい。」ほんの数年前から職人になった坂井さんだからこそ、今の消費者が求める品質というものこそが必要だ。と考えたのではないでしょうか。
紅葉屋本舗では、基本となる本練り(小豆)の羊羹だけでなく、古き良き日本の味を今様の味として楽しんでいただきたいと考えています。それも地元の素材にこだわった羊羹を開発するのが楽しい。と坂井さん。
たとえば抹茶羊羹で使われるのは日置川で採れる川添茶で、全国の手もみコンテストで何度も優れた成績を残している和歌山の名産です。また桜羊羹に使われているのは、花の時期が終わり新芽が出るころ、坂井さんご自身が山に入って採取するというこだわりです。
古座川特産である最高級品の柚子を使った柚子羊羹は、2007・2008年モンドセレクション金賞を2年連続受賞。そして看板でもある本煉羊羹竹皮包みは、最高金賞受賞という快挙を成し遂げています。
昨年柚子羊羹が金賞を受賞した時は「先代を超えた。」という思いがあったが、今回本煉羊羹(小豆)が最高金賞を受賞したことで、やはり かなわないと思い知らされた。と坂井さん。
レシピに託した曾祖父の思いは時代を超え、今の当主に「思い上がるな。まだまだこれからだ。」といった戒めでもあるのでしょうか。
「先代の味、日本の味を世界に広めたい。そのためにも、無理せずに高品質、安心安全な食づくりにこだわりを持続し、守るもの、新しく切り開くものを両立していきたい。」
坂井さんは眼下に太平洋が広がる潮岬で、一本一本の羊羹を心をこめて作り続けています。
ビジネスでは大量生産・大量出荷が当たり前だという現代において、手作りによる少量生産は効率的ではないという人もいるでしょう。しかし本物のこだわりこそを求める人がいるからこそ、紅葉屋本舗さんはこの短期間で全国や世界に認められたのではないでしょうか。そしてその根っこにあるのはHACCPを初めとする世界品質へのこだわりでしょう。
伝統を守る気持ちと地元への思いを熱を持って語る坂井さん。曾祖父が遺したレシピには羊羹以外のレシピもあるのだそうで、これからの紅葉屋本舗さんはますます目が離せないと感じました。
※2〜6本セットもあります
店主からひと言
私どもの羊羹は「美味しい」「安全」「安心」「自然」を貫き、添加物は一切使用せず厳選された素材だけを使用し、一本一本職人の手で真心込めて丁寧にお作りいたしております。そのため生産量も限られており、ご注文いただいてからお時間をいただくこともございますが、ぜひ幻の味をご賞味ください。
紅葉屋本舗のこだわり
紅葉屋本舗の「本煉羊羹」は、モンドセレクション最高金賞を受賞しました。また「柚子羊羹」は2007、2008年と2年連続の金賞受賞となっております。
プレミア和歌山は、安全・安心を基本に、幅広い分野で優れた県産品を"和歌山らしさ","和歌山ならでは"の視点で推奨されるものです。
和歌山県HACCP(ハサップ)認定とは、1960年代にアメリカにて宇宙食の安全性を高度に確保するために考案された食品の衛生管理の方法です。
このほか"NSF/ANSI(42/53)規格"適合の水を使うなど、紅葉屋本舗ではお客様の安全と安心にむけて最善を尽くしています。

本煉羊羹 竹皮包み(230g)
1,050円
※2008年モンドセレクション最高金賞受賞
※プレミア和歌山認定商品

柚子羊羹 竹皮包み(230g)
1,050円
※2007・2008年モンドセレクション金賞受賞
※プレミア和歌山認定商品

抹茶羊羹 竹皮包み(230g)
1,050円
※プレミア和歌山認定商品

塩羊羹 竹皮包み(230g) 1,050円

金柑羊羹 竹皮包み(230g)1,050円
※プレミア和歌山認定商品

桜羊羹 竹皮包み(230g) 1,050円

紀州備長炭羊羹 竹皮包み(230g)1,050円