和歌山駅から国体道路を南下して昭和通りを左折し、高架を降りて左側の、こじんまりしたかわいいお店が「ル・パティシエ・ミキ」です。
お店に入ってまず目につくのは、ショーケースに並ぶ色とりどりのスイーツ。季節によって、みかん、イチゴ、ぶどう、柿やイチジクまで、フルーツ王国和歌山の産物をふんだんに使ったスイーツはまるで宝石のよう。そしてかわいいカゴに並べられた焼菓子も もちろん手作り。バターの甘い香りに包まれた店内で、店員さんたちがにこやかに迎えてくれます。

季節のフルーツを使ったスイーツのほか、人気のスフレロール、定番のモンブランやチーズケーキ、ふわふわスポンジが感動のイチゴショート、しっとり風味のロールケーキ、カラメルのパリパリがやみつきになりそうなブリュレなど、全部食べたい!という気持ちになります。
「凜(りん)」は抹茶と緑茶のコラボ、オリジナルの「ミキフィーユ」は食べやすい工夫がされたミルフィーユ。不思議なネーミングの「宮前プリンせす」は子供に大人気。ここが今人気急上昇のケーキショップです。
その人気をお客様に尋ねてみると、「チョコレートがとにかくおいしい」「ふわふわスポンジとのバランスが絶妙」「シフォンのようななめらかさのホワイトチョコが入った紀婦人がイチオシ」など、感想も定番もお客様によってさまざま。中には「普段ケーキを食べないんだけど、ミキさんのケーキはあっさりしてておいしい」とか、「開店して以来、ここ以外でケーキを買ったことがない」というツワモノまでいらっしゃいます。
「全部おいしい」はよくある宣伝コピーだけれど、そんな中でひとつ、「おいしさの証拠」を見つけました。
それは店頭にある黒板で、その日お誕生日のお子様の名前を書き出しているんですが、ほぼ毎日お名前が数名づつかかれているそうです。実はこれ、この日の「バースデーケーキ」をご注文されたお客様。
子供が喜ぶ特別な日のケーキをたくさんの方がこのお店で注文している。ということが人気を物語っています。
昨年のクリスマスケーキ販売では、"予約制だったのに" 店の前に行列ができ、手に入らなかった方もいらっしゃるほどだったそうです。
オーナーパティシエのミキさんが「お客様みんなに食べていただきたかったんですが、、、」と申し訳なさそうに話してくれました。「ル・パティシエ・ミキ」は、店舗の割には(失礼!)大所帯なのに、それでも製作が追いつかなかったんだとか。
ミキさんは、大阪や神戸で修行を重ね、ここ和歌山にお店を構えられました。ロイヤルパインズホテル(和歌山マリーナシティ)時代、製菓長をしていたとき「和歌山で商売をしたい」と思ったそうです。
その理由を尋ねると「洋菓子といえば神戸や大阪まで買いに行くお客様が和歌山にはいらっしゃる。でも、こんなにいいフルーツがある和歌山でこそ、洋菓子の文化を根付かせたい」というお返事が帰ってきました。
この情熱がそのまま、最初にお店に入ったときの色鮮やかなショーケースに表れていたのです。あらためてよく見ると、特に驚くのが柑橘系の種類の多さ。ミカン・はっさく・甘夏・デコポン・清見・マンダリン・バレンシアオレンジ・セミノールといった柑橘のスイーツが、季節ごとに生み出されています。
「スポンジと果汁はもちろん、酸味と甘みのバランスが難しい。だから やりがいがあるんです」。素材の特性をきちんと把握し、そして生かす、とびっきりの美味しいスイーツ。開店以来、和歌山の柑橘系のケーキに取り組んできた情熱の宝石達が、色鮮やかに並んでいます。

ミキさんの思いを実現するためのフルーツを提供していただく方の中に、みかんの本場、有田市にある的場農園さんがあります。「ル・パティシエ・ミキ」のフルーツのほとんどは、的場さんが心を込めて作った果物です。
その的場さんの「黒潮マンゴー」は、和歌山ではまだ生産果樹園も少ないフルーツですが、この季節限定スイーツが「完熟黒潮マンゴーのタルト」。太陽をたっぷりと浴びたマンゴーをふんだんに使ったタルトは、完熟ならではの甘い香りが素敵な味わいです。
柑橘系に比べれば単価の高いマンゴーを使うというのは、経営や採算的にも、販売するにはとても勇気が必要に見えます。でも、ミキさんは「地域のためになるお菓子作りをしたい。和歌山を発展させる発信地のひとつになっていきたい」と、言い切ります。そして、的場さんもそんなミキさんの思いにふれ、丹精こめた産物をご提供していただいているのです。
職業は違うけど、わかりあえる思いがある。共有できる気持ちがある。そんなおふたりがとてもうらやましいと思いました。

スタッフの皆さんも、もちろんミキさんの心を共有してくれる方達です。美味しいものを作る情熱、和歌山のフルーツを使ったスイーツを発信していくという熱意。もちろんあらゆる素材を自由自在に豊かに表現する技法。心のこもったスイーツを、お客様にご提供していきたい。
みんなの気持ちがひとつになっているお店が「ル・パティシエ・ミキ」です。
ヨーロッパにはその風土を生かした「地方菓子」がたくさんあります。地域の修道院で作られたお菓子、宮廷で作られたお菓子、家庭で守り続けられているお菓子。これらは地方の文化を表し、生まれた場所や由来の残る伝統菓子です。
都会の洗練されたお菓子も美味しいけれど、土地の生産物を生かし、丁寧に心を込めて作られたお菓子は、その土地の文化を伝えるものではないか。そう考えたとき「ミキさんはこれからの伝統菓子、いや新しい郷土料理を作ろうとしているんだ」と感じました。
スタッフからひと言
ル・パティシエ・ミキはイートインはおこなっておりませんのでご注意ください。
アニバーサリーケーキはご予約のみとなります。また、各種ラッピング承っておりますので、お気軽にご相談ください。
※掲載の商品はすべて取材時点のものです。

前馬農園の完熟ブルーベリータルト 450円

はっさくのタルト
420円

Mikiの気まぐれケーキ
420円

みかんフィナンシェ
420円

苺のパリパリタルト
420円

フレッシュトマトとヨーグルトのゼリー 399円

手絞りの清見ゼリー 335円

ブルーベリーとカシスのゼリー
367円

アロエ入り・リンゴのゼリー
335円

グレープフルーツゼリー
335円