紀ノ川平野を一望できるかつらぎ山系の風通しの良い高台にある「TONTON有機農場」が大浦さんの豚舎です。養豚業界では知る人ぞ知る大浦さんのこだわりを拝見してきました。

昔から動物好きな大浦秀樹さんは学校を卒業後一旦酪農を学び、ノルウェーで修行後養豚業を始められました。ご一家ではもともと米や野菜の有機栽培を行っていたこともあり、この農場では初めから有機循環型農業の一貫を担っていました。
大浦さんの豚舎は山の勾配をうまく利用した作りで、3階に飼料倉庫、2階に配合機を備え、1階が豚舎となっており、飼料を配合した後自動で豚舎に流れる仕組みです。なんとこの施設のほとんどは大浦さんの設計で、その後の改良などもほとんど一人で行ってきたのだそうです。
「こだわるつもりじゃなく、使い勝手のいい環境にしたかっただけ」という大浦さんですが、こだわる性格と動物への思いやりがあふれているのが飼料。
一般の養豚農場では市販飼料を使うことが多いのですが、大浦さんは「子ブタにこそいい飼料を」と、当初から自家配合飼料を使っています。国産大豆をはじめとしてビタミンやミネラルのほか、カロリーとアミノ酸のバランスを基本に栄養設計を行っています。もちろん抗生物質やホルモン剤、遺伝子組み換え大豆やトウモロコシは一切使わず、配合飼料には酸化防止剤混入の可能性があるから使わないという徹底ぶり。過去の経験を活かし、体重別など4段階に分けた自家配合を行っています。
「豚も人間も同じ。良い物を与えれば健康で美味しい安全な豚肉ができるのは当然です」と話す大浦さんですが、防腐剤の入っていない飼料は傷みやすいうえ高価。それをさらに自家配合するというのは大変な作業です。
母豚舎では、80頭越える大きな母豚たちが生まれたばかりのピンク色の子豚達にお乳をあげていました。
一回のお産で生まれるのは約10匹。子豚達はまだ体温調節がしっかりできないため、風邪を引かないようヒーターで加温した施設で育ち、そして生後60日程度でその大浦さんご自慢の「開放型踏み込み豚舎」に移動します。
踏み込み豚舎とは、あらかじめ豚の導入前にもどし堆肥を入れておがくず等を敷きつめ、豚糞尿が踏み込まれかき混ぜられることによって適度に分解して完熟堆肥となる生きた床の仕組み。この仕組みのおかげできめ細かくてふかふかとした状態を保つことができるのです。この仕組みはデリケートな豚にとっても快適な環境となり、暖かさを保持し余分な脂分をなくす効果もあるとのこと。

およそ横3.6×縦9mの豚舎には、体重などを考慮したうえで常時約20頭が入れられています。大浦さん以外の人が来た驚きからか、こぶりの若い豚達は元気に走り回っていました。締め切られた室内ではなく風通しの良い豚舎だから、極めて自然養豚に近い足腰が丈夫でストレスのないコクのある豚たちが育つのではないでしょうか。
またできあがった完熟堆肥は、ご自身とお父さんが営む耕地に還元し、米やトマト、キュウリ、タマネギ、ジャガイモなどをJAS農法による無農薬有機で栽培されています。
見学にくる前は「TONTON有機農場」の"トン"は豚のことだと思っていましたが、実は「肩たたき」のことを指すのだそうです。「肩をたたいてあげる時のように思いやる心を忘れずに生産に取り組みたい」と話してくれた大浦さん。 「よく育ってくれたな」とトントンしてあげている姿が浮かんできます。
大浦さんの愛情がこもった豚肉は、もちもちした食感で味が濃くてジューシーな「もち豚」。豚肉特有の臭みが少なく、さっぱりした脂身が特徴です。県内外を問わず、有名レストランでも使われている豚肉ですが、美味しさの秘密をたずねると「自家配合の飼料と、水でしょう」とのお返事が。
TONTON有機農場が使うのは葛城高野山系の伏流水。フルーツの里として知られるかつらぎ町の生産物や川上酒の伝統、地元の温泉にも恩恵ある地元の水を尊んでくれた大浦さんの地域への愛情を感じたひとことでした。
こだわりは、ハムとソーセージづくりにもあらわれています。「自家配合飼料による安全・安心な豚肉」そのままの「安心・安全のハム・ソーセージ」が作りたかったという大浦さん。
岩塩と黒砂糖をベースに天然の香料のみを使用。化学調味料や添加物・結着剤を一切使わず、紀州の炭と桜のチップでゆっくり乾燥させたハムとソーセージは濃厚な味をまとう本格派。ロースハムをはじめ肩バラ肉を使ったショルダーベーコンは絶品。アグリィソーセージはハーブの香りが口いっぱいに広がるおすすめ品。さらに季節限定の野菜ポークソーセージや子供も大好きなカレー風味のソーセージなどを販売しています。ぜひお問い合わせください。
店舗からひと言
販売している無塩せきハムの原材料はすべて自家産自家配合豚、粗塩、黒砂糖、香料(天然)で、抗生物質・ホルモン剤等は使用しておりません。なお養豚は100%非遺伝子組み換え飼料です。
商品の保存については4C以下で保存してください。

柔らかくて赤身がしっかり入ったショルダーベーコン

子供も大好きなカレー風味仕立て。ポークカレーソーセージ(写真は5本/150g)

ピリッとした辛さがやみつきになるチョリソー(写真は6本/250g)

ハーブが口の中に広がる粗挽きのアグリィソーセージ(写真は300g)

ベーコンタイプに仕上げたスモークドハムは最高級品の味(写真は270g)

成熟された味はパンにもぴったりのボンレスTONTONハム(写真は280g)

あっさりした風味が楽しめるロースTONTONハム(写真は260g)