畑さんの畑

2009年開園 ブルーベリー村

この場所は2009年の夏、紀の川市のめっけもん広場近くにて開園予定の観光農園クィーンズガーデン:ブルーベリー村。ここでは今、生産物が異なる5人の農家がそれぞれの知識と経験を生かして観光体験用の村作りを行っています。

その中の一人が上野富一さん。家業の花卉栽培を行いながら、この観光農園づくりをはじめとして、栽培法などの後進指導やファームステイの受け入れ、環境整備の問題や休耕田の管理など、農家における現状の様々な問題に対して取り組んでいる農業士です。

生産者としての役割が多い上野さんですが、ちょっと変わっているのが「紀の川市観光協会 副会長」という肩書き。なんでも設立時から関わっていると言うから驚きですが「紀の川市の約1/5が農業従事者だから1/5の意見として参加させてもらっています。」と笑います。

体験で伝えたい紀の川市の魅力

「各地域の特色をミックスしたアピールを していきたいんです。」

5町が平成17年に合併してできた紀の川市は、歴史や文化に富み、環境が良くて食べものも美味しい上に観光客も訪れやすい好立地。訴求の柱はなんと言っても全国でも有数の農生産物で、新鮮な産物を楽しんで頂くための体験農業や観光農園は自然な流れであると言えます。

上野さんが初めておこなった体験農業はイモ掘り。体験指導への不安がある中でいざ始めてみると、「お父さん、ほらこんなに大きいオイモがあるよ!」と本当にうれしそうに喜び合う親子の姿を見て、僕はなんという素晴らしい職に就いているんだ。と感動したのだそう。

この笑顔が生まれるお手伝いができるなら。と、今では様々な生産物を栽培する仲間たちと一緒にサツマイモやジャガイモ、タマネギやお米などの農業体験やオーナー制度を手がけるようになりました。

観光農園

中間的な視点が培われたサラリーマン時代

もともとは農業をする気がなく、卒業して流通関連業に就職しましたが、そこで生産者と消費者を取り持つ中間的な役割をまかされ、作る側と求める側の意見を客観的に知ることができました。

さらに、野菜を卸す生産者との情報交換などから「養液栽培」という、土を使わずに養分を含んだ液を植物に与えることで生育させる技術など、新たな仕組みを知ることもできたそうです。

養液栽培の様子38歳の時にご家庭の都合で地元にUターン。サラリーマン時代の経験を生かし、流通から販売管理のシステム化などに取り組みます。また養液栽培へのチャレンジも行い、コンピュータ管理による省力化を遂行。成長の管理や収穫量の増加も可能になりました。

みんなのためにできること

社会人として働いていたバランス感覚でしょうか。それとも考え方や取り組み方に対しての希望でしょうか。栽培を通じて知り合った方達から、土地の管理を頼まれたり意見を求められることが次第に多くなり、徐々に地域の現状と問題点が浮き彫りになってきました。

紀の川市は広い農耕地帯と温暖な気候のおかげで、イチジクやモモ、キウィフルーツ、カキ、ハッサクは全国有数の産地なのですが、高齢化や後継者不足、休耕田の活用などの悩みはどこも同じでした。

「このままでは農業の未来はない!」

上野さん生産者と消費者がわかりあうことが重要だと始めたのが観光農園への取り組みでした。消費者に農作業を体験してもらうことで生産者や生産物を知り、生産者は消費者の喜ぶ顔や求めるものを知ることで役割を知ることができるのではないか。と。

互いを知っているからわかる。理解し合えないことはない。観光を軸にした地域への取り組みが始まったのです。

まちを、みんなで

「観光を通じて次代の農業を担う人材の発掘と育成につなげる。そのためにも地域が一体となったまちづくりが必要です。」と上野さん。

地域一体となるためには、行政はもちろん生産者が協力し合う環境づくりが必要です。観光を軸にした農業・商業・工業そして流通業に携わる方々がコラボレーションする理想の環境が生まれれば、人々の交流はグリーンツーリズムとなり、その中で次代の農業環境が生まれてくるはず。さらに地域産品のブランドや営農の企業化などへの取り組みも行われてゆくに違いありません。

観光を軸に考えている上野さんにはアイデアがいっぱい。新しい果実の栽培のことや市民農園のこと、駐車場のこと、宿泊のこと。こうした「お客様をどうお迎えするか」を考えるおもてなしの気持ちがあふれていました。

敷地内のポットの様子

観光農園に来て下さい

手作りの看板ブルーベリー村は2009年6月ごろから開園予定で、現在5人の仲間達が手作りで休憩所づくりや看板の製作などを準備中です。約60アールの敷地に1000ポットのブルーベリーが植えられており、もちろん養液栽培で行われているため来園者の服を汚す心配もなく、家族が採ってすぐに食べられるよう配慮した観光農園です。

これぐらい間隔が開いていれば通りやすい。とか、1日に10家族ぐらいを受け入れられるかな・・でも数が足りなくなったら困るな。と、うれしそうに語る上野さんの頭の中には、もう親子で楽しく賑わう観光農園の風景が浮かんでいるのかもしれません。

「観光客ばかりではなく、地元市民にもぜひ観光農園にきてもらい、私たちの取り組みを見て欲しい。」

地元の人にもぜひ知ってもらいたい地元の生産者の取り組み。上野さんには地産地消への願いが詰まっています。



人と人との交流。互いへの理解と互いへの思いやり。これは地産地消への取り組みはもちろん、食育のはじまり。そしておもてなしの気持ちへと繫がります。

日本一の集客を誇るめっけもん広場があり、「紀の川市食育推進計画」など食に対しての取り組みを積極的に行っている紀の川市での動きであるだけに、これからの発展や相乗効果を期待せずにはいられません。

(2008/12/2 取材)

上野 富一さん
所在地
〒649-6406 和歌山県紀の川市北大井303
連絡先
上野農園(クィーンズファーム)
0736-77-4480
その他の観光農園
水稲、サツマイモ、ジャガイモ、タマネギ、とうもろこし、ブルーベリー(2009年予定)
所属部会など(取材時)
  • 紀の川市担い手育成
    協議会会長
  • 紀の川市農業士会 会長
  • JA紀の里スプレーマム部会
  • 県養液栽培研究会副会長
  • JA紀の里体験農業部会
  • 紀の川市観光協会 副会長
  • クィーンズファーム代表

上野さんからひと言

紀の川市は和歌山県の北部にあり、大阪・泉南から最も近いところにある農業地域です。ご家族揃って楽しめる観光農園・農業体験をおこなっておりますので、ぜひお越し下さい。

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めっけもん広場<JA紀の里>

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