地産地消とは

地地産地消とは「地域で生産された産物を地域で消費しよう」という意味で使われる言葉です。その地域でとれた食材をその場で食べることは、美味・新鮮・安心・安全なものが手に入るということであり、その恩恵は地元住民はもちろん、地域の観光地や直売・直販所に訪れる遠方や県外からの観光者も含まれています。

今では言葉の意味だけでなく各地の活発な活動として広がりを見せています。食材を消費するだけでなく生産者と消費者とがお互いの関係を深くし、「モノ(生産物・食材)」を介した「ヒト(感動・味覚)」との交流の中で互いの事情を理解しあい、食べ方や作り方、これからの食のあり方までをも含めた地域を超えたものに発展しています。

このような取り組みは世界的に行われており、質の良い食品と生産者を守り、郷土料理等を含め消費者への認知を促すイタリアの「スローフード」や、契約栽培などによって農業の保全を促すアメリカの「CSA(Community Support Agriculture)」、韓国では「身土不二」つまり環境と人とは一体であると唱えるなど、いろいろな運動が世界各国で行われています。

<食育・食農と地産地消>

食国内の取り組みの中でも特に重視されいてるのが、幼稚園から小学校の子供を対象にした食育への取り組みでしょう。和歌山県では紀の川市の有機生産グループなどによる地元の学校給食への食材の提供が行われています。食事の内容についてきちんと子供たちに教えることで、身体にいい食べ物を選ぶ力を育て、食の大切さを学ぶことで好ましい食習慣と豊かな心を身につけると言った目的をもちます。また子供を通じて保護者に対しても食事のあり方を考えるきっかけとなっています。

さらに、より行動的なものとして、消費者である子供や保護者たちが作物を「育て・収穫する」といった活動を体験し、生産の喜びを知るという活動が食農への取り組み。生産者自身による栽培工程や野菜や食材がどのように栽培されているかを知ることで食を見つめ直す環境が生まれ、対面コミュニケーションによって食を身近に感じることができることなど、食への関心と地域のつながりなど食べ物を大切にする心を育てることができます。

<料理と地産地消>

料食と文化との関わりとして着目したいのが郷土料理です。つまり土地土地で採れた食材を毎日の食事として使われていた家庭料理は、四季折々の地域食材を使った、地産地消の概念そのままの、旬の食材の魅力を引き出す料理への知恵と工夫を併せ持った、その地域でうけ継がれてきた料理であるからです。

地産地消の料理とは、この郷土料理を再確認し、本家取りやインスピレーションを得てほんものの味と感動を味わうことができる新たな郷土料理を創意工夫していくことです。料理の職人達が普段地域で食べられている家庭料理を洗練し、華やかさを添え、新鮮な「山の幸・川の里・海の幸・里の幸」の地域食材の魅力を最大限に引き出した外連味のない本物のおもてなし料理は、「いまが旬の、ここでしか食べられない新鮮な味覚」の一期一会の食事として、観光に欠かせないものです。

<観光と地産地消>

旅和歌山県は世界遺産をはじめとする多くの歴史や文化、史跡、景観があります。この観光資源における地産地消とは、その地域独自の食材・食文化を、観光客に対して余すことなく提供・紹介し、観光資源の価値を高めることが重要です。

自然や景観を楽しむ方には素朴な自然の産物を。温泉でゆったり療養したい方には心が和み、かつメリハリが効いたバランス良い食事を。歴史や文化そのものを楽しみたい方には縁ある食事・お土産など、地域ごとの食材や産物で特徴を出し、お客様の満足を一番に考え、「おもてなし」の気持を持つことこそが観光にとっての地産地消への取り組みではないでしょうか。

観光と地産地消と言うと、ともすればブランド化された特産品を作ること"だけ"を考えてしまいがちです。しかし広範囲に販売したいがために通販等を行うと「行かなくても買えるお土産」になってしまうことがあります。真の特産品とはその特産品を起爆剤として、地域への相乗効果・波及効果を担ったものでなければなりません。

<環境と地産地消>

環良い食材を生産するためには良い環境が必要です。地産地消による効果として期待されているのが環境への関心を伴った取り組みです。食材の輸送にかかるエネルギーを表すものとしてフードマイレージという基準があります。これは運送にかかる総重量と距離を掛け合わせたもので、この値が高いほど環境への負荷が高いとされています。ちなみに世界的に比較してみると日本がダントツの一位となっています。

わかりやすく言うと、近くの店やスーパーでは県外の「○○産」や「○○○で水揚げされたばかりの魚」など、数百キロも離れた地域の産物が店頭に並んでいます。これは遠くで採れた産物が流通によって迅速に陳列できていることを示し「生産者にとって遠くの消費者に。消費者にとっては遠くの生産者に。」という意味で「遠産遠消」という言い回しをすることがあります。

これを否定する訳ではありません。地元で生産されていない食材や、地元では時期的に手に入らないものが購入できるという消費者にとってかけがえのないメリットであるからです。


※本歌取り(古歌や詩の語句のモチーフなどを取り入れること。オリジナルへの敬意をあきらかにした上で独自の趣向を凝らす。=リスペクト)


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