和歌山県の風土と食のかかわり

和歌山県本州最南端の和歌山県は四季を通して温暖多雨な気候で、県面積の77%を占める奥深い森林と600kmにも及ぶ沿岸部を有しています。

高野山から熊野に渡る世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」にも登録された山々は"木の国"の名にふさわしく、大地に染みこむ栄養たっぷりの伏流水を含む水は、主に紀の川や有田川、日高川・日置川・古座川・熊野川を介して各地域の平野の土壌に注がれ、そして90もの漁港を備える海へと流れます。

寒暖差を生む放射冷却や海軟風といった現象を持つ地域や紀淡海峡と黒潮の交差する魚道に恵まれているなど、和歌山は各地域ごとに特性を持った食の生産県。

この恵みある風土で採れる四季の食産物として、南高梅で知られるウメ、みかん、カキ、ジャバラ、ハッサク、モモやネーブルオレンジなど果樹王国として名高い和歌山のフルーツを筆頭に、コメや豆類、大根、玉葱、ニンジン、サヤエンドウ、山椒、お茶などの質の良い農産品が栽培されています。川からは鮎やアマゴ、海では那智勝浦のカツオやマグロをはじめ、イセエビやクエ、サンマ、アジや鯛のほか、釣り人にも人気のタチウオやチヌ、グレなど変化に富む魚たちが水揚げされています。

恵まれた土地と豊かな食生活

日高川交通機関もなく山に隔てられていた昔、各家庭では自宅の庭に植えた柿やお茶、大豆や米と言った栽培がおこなわれていました。肥沃な土地のおかげであらゆる野菜や果実の栽培ができ、海はたくさんの魚が捕れるという恵まれた風土の恩恵によって、山間地域は"野菜や山菜"を主とする食生活、沿岸地域の"鮮魚"を主とした個性的な食生活が生まれたのです。

和歌山の郷土料理は、素材の良さを生かす知恵と工夫が結集した旬の素材を逃さない地産地消そのもの。現代人が忘れている食への気持ち、そして栄養バランスの面でも今一度見直さなければなりません。

魅力ある食材と歴史・文化が組み合わさった食の文化

お菓子の神様郷土料理の成り立ちに欠かせないのが歴史・文化との関わりです。紀州和歌山は古来より、奈良時代の和歌浦への行幸や平安時代の高野山建立や熊野詣、そして徳川紀州藩といった環境の変化が食文化を築き・そして育んできたのです。

北端に位置する霊峰高野山ではこうや豆腐やごま豆腐が生み出され、 日本三大なれ鮨のひとつとして名高い有田地方のなれずしは、あの平維盛が作ったという話が今も地元に残ります。

13世紀に法燈国師が中国から伝えた日本で初めて金山寺味噌と味噌のたまりから生まれた醤油。そして紀州徳川家の頃には藩の後押しもあってカツオ節や梅干しなどが奨励され、酒、塩、砂糖、菓子など現在の食の基礎が整い、紀州の料理が形づくられたと言えます。「新しもん好き」な紀州人の資質も関連していたのかもしれません。




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